北京五輪のスローガンについて

 北京五輪のスローガンをご存知でしょうか。「同一个世界,同一个梦想(one world one dream)」というスローガンが北京の町ではどこにもある。地下鉄付近、繁華街、胡同(ふートン)、万里の長城北京市政府も、あらゆる場面、手段で宣伝し、地元での五輪開催を成功させるべく、努力しています。その執念には関心させられます。
 しかし、「one world one dream」という英語名は誤解を招く恐れがあります。「同一个」は「ひとつ」ではなく、「同じ」即ち、「one」ではなく、「same」と解釈されるべきではないでしょうか。「ひとつ」だと、「中国はひとつの世界、ひとつの価値観、形態しか認めない」と言うメッセージを、内外に与えかねないです。実際のところ、中国には、五十六の民族が共存していて、その文明は多様性に満ちています。「改革・開放」が打ち出されて三十年も経た昨今では、文化面だけではなくて、経済的、そして社会的にもさまざまな利益が混在しています。中国は多様性を認めつつ、包容力を持って、柔軟に国家建設を進めていきます。「さまざまな価値観やバックグラウンドを持つ世界の人々が、同じ世界で、平和と発展と言う同じ夢に向かって、ともに歩んでいく」という姿勢で、このスローガンに向き合いたい。(劉丹より)