中国版新幹線「和諧号」

中国版新幹線「和諧号」
2008年2月26日、鉄道部は時速350km以上の高速列車を国内で自主開発する計画を発表しました。中国では昨年、外国の技術を導入した中国版新幹線「和諧号」が開通したばかりですが、完全国産の新型車敷設を2012年に目指して、北京・上海間に投入する予定です。
 これまでの「中国版新幹線」の概要を振り返ります。
 2007年4月18日の「第6次高速化計画」実施に伴って、中国では新しい高速列車の開通を急いでいました。ボンバルディア(カナダ)、川崎重工業(日本)、シーメンズ(ドイツ)、アルストム(フランス)の国外企業と技術提携をして、CRH(China Railway High-Speed)シリーズの車両を開発しました。中でも川崎重工業が共同開発した「CRH-2」は日本の東北新幹線「はやて」をベースにしたものとして、日本では注目されていました。
 2007年の旧正月杭州〜上海〜南京間での試運転を経て、同年4月には初の国内新幹線「和諧号」が開通しました。最高時速約200〜250kmの高速運転で、北京〜ハルビン、北京〜上海、北京〜広州、広州〜深センなど8線が運行されています。
 その後、2007年12月の福田首相訪中で、2008年の北京五輪に合わせて開通を目指す北京〜天津間の高速鉄道車両に、日本の新幹線を採用することが決定しました。
 今後は2010年までに国内の旅客運送専用鉄道を7000km建設して、既存の1万2000kmとつなぐ高速鉄道網が形成される予定です。現在建設中の専用鉄道はハルピン〜大連、武漢〜広州、鄭州西安、広州〜深セン・香港の各線で、いずれも時速350kmの高速列車開通を前提に建設しています。
 そして、2012年には初の完全国産車両の登場です。加速度的に進む「中国版新幹線」の成長は、とどまるところを知りません.

                        (劉青)